ライダーハウスとは?どう泊まったら良い? |
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ライダーハウスってなに?と思う方もおられるかも知れません。北海道以外の地域ではあまり耳慣れない言葉ですし、ライダーであっても長距離ツーリングをしない方には馴染みが薄いと思います。
一言で言えば 「 泊まれる建物 」 というべきでしょうか。宿というほど立派なイメージとはちょっと違うと思います。雨風がしのげて寝れる。それだけの建物です。
施設はいろいろです。本当に物置みたいなトイレや水道さえもないような建物から、風呂やキッチン、テレビや冷蔵庫、洗濯機、乾燥機まであるような所まで、その様子は千差万別。宿泊料金は無料か数百円のものが一番多いですが、募金方式のもの、オーナー
さんが経営している食堂で食事すれば無料になるというものもあります。
▼ ライダーハウスのメリット
何と言っても同じようなツーリングライダーと知り合える事です。あらゆる方向から辿り着いた初対面の人と仲良くなり、情報交換ができます。これから行こうとする場所に何があるのか、素晴らしい情報をくれる人もいるはずです。初めての人と会うのが好きな方ならば、ライダーハウスは絶好の場所です。偶然そこに居合わせた縁で一生の友人となったり、中には出会いがきっかけで結婚に至るケースも意外に多いのです。
▼ 女性にはちょっと敷居が高い
上記のように男女の出会いがあるケースも多々あり、女性ライダーが泊まることも当然あります。ただ、ザコ寝が基本のライダーハウスです。通常は個室なんてまずありませんし ( 女性専用個室があるライダーハウスも希にはありますが ) 、初対面の男に混ざって着替えやトイレというのは、ライダーでなくても女性にとっては一番の難題です。しかしそれでもライダーハウスに泊まる女性は相当なアクティブ派。着替えをするときは男を追い出す強者もおります。逆に言えばそのくらいの気丈さがないと女性ライダーは何かと大変です。と言うのは・・・
▼ 女性はつきまといライダーに注意
ライダーハウスに女性が泊まると、男ばかりが通常なのでそれはそれは喜ばれます。たいていは紳士なので楽しく飲んで語らうだけなのですが、たまにいるのが 「 つきまとう 」 ライダー。「 明日はどっちに行くの? 」 と聞かれるのは男女を問わずよく出る会話なのですが、「 俺もそっちに行くんだ、明日は一緒に走ろうよ! 」 と言われる事が本当に女性ライダーには多くあり、延々と付いてこられたという話を結構聞きます。ヘタをすると次の宿泊地までも一緒に居ようとする輩もおります。
意気投合したなら良いのですが、もし貴方が女性で、嫌だと思ったなら気丈にハッキリ言うべきです。「 自分たちだけで走りたいので、そういうのはお断りしています 」 と。または 「 そうやって付いてくる気なんでしょう?前に友達がすごく嫌な思いして、気をつけろって言われてるんですよね〜 」 と冗談ぽく意思表示するのも良いと思います。たいていはハッキリ言えない女性につけ込んでくる事が多いので、意思表示をしておくと付いてくる事はまずありません。もしそれでも偶然を装って後ろから来る場合は、途中どこか人の多い観光地や駐車場などに紛れ込み、立ち寄るフリをして、すぐに走り出してまいてしまうのが一番です。けして速度を上げて逃げようとはしないで下さい。こんな事のために事故を招いたらバカらしいですから。
▼ 予約はできる?
ライダーハウスは予約するような宿ではない、というのが正直なところです。道内で人が住んでいる付近にはたいていどこにでもあるので、行き当たりばったり、夕方になって発見したところに泊まる、というケースがほとんどです。一応オーナーさんは敷地内または近所に住んでいたりしますが、ほとんどは小屋や空き施設を開放しているだけの建物です。出入りそのものが自由であり、オーナーさんには最初に挨拶したり料金があれば支払ったりする時に会う程度で、常に入退室を管理している人がいる訳ではありません。せいぜい宿帳のような記帳ノートがあるぐらいです。もともとザコ寝するだけの床があるだけの場所ですので、予約なんていうレベルのものではないのです。
ただ、中には管理の行き届いたライダーハウスもあり、予約可能なものもあります。例えばオーナーさんの経営するお店と棟続きの建物で入室時間に制限があったり、民宿を経営していてその一部を素泊まりのライダーハウスとして設定しているハウスもあります。目的の地域のライダーハウスをwebで検索してみたりすると見つかるかも知れませんが、予約できるものはそれなりの料金設定になっていると思った方が良いでしょう。
基本的に、予約するような宿泊施設を選びたいなら民宿などを利用するべきです。
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▼ ライダーハウスに到着したら
前述が長くなりましたが、ライダーハウスに着いたら、まずオーナーさんや管理人さんに宿泊の許可を求めます。隣や向いに家や店がある場合が多いです。( 誰も居なくて宿帳だけ書いて終わりのハウスもあります ) そして既に着いている方々に挨拶し、室内に空いてる所があるか聞いてみましょう。ザコ寝がほとんどですから、空いている場所に寝袋を広げ、荷物を小さくまとめて置きます。
▼ ライダーハウスの利用ルール
ライダーハウスには場所によって、それぞれ独自のルールがあります。自炊して良い場所、飲食や喫煙の場所などが決まっている所が多いです。火災防止や汚れ防止のために厳しいルールが貼り紙に書かれているところもありますので見落とさないようにし、けして好き勝手にタバコを吸ったりコンロを使ったりしないようにして下さい。
▼ 食事は最後まで自力で行い、温めなどを頼まないこと
当然ですが食事は自分で何とかします。原則として
ライダーハウスは 「 寝る場所 」 を提供してくれているだけです。
たまに聞く話で、オーナーさんが飲食店をしているのに、他で買ってきたごはんや総菜を温めてほしいなどと頼む呆れた非常識ライダーもいるそうです。安く泊まれることに感謝の気持ちがあるなら、一度くらいは礼儀としてお店で注文して食べるべき。厚意で泊まらせて頂いているという事を忘れないでください。ホテルではありませんので、挨拶や礼儀をもって謙虚に利用する気持ちがないのであればライダーハウスには泊まらないで下さい。
▼ 就寝時間に関わるトラブルが意外に多い
就寝の時間で時々トラブルになることがあります。翌朝早くから出発したいので早く寝る人もいれば、せっかくの旅の夜だからと、出会った人と飲み明かしたいという人もいます。できれば10:00以降に飲んで話すのはやめましょう。どうしてもの場合は外に出て飲むなど、場所を変える工夫をして下さい。( 外の場合は近所迷惑に注意! )
宿泊者の7割以上が1人旅のライダーです。個々を尊重できない人は宿泊できません。私はうるさい人にはハッキリ迷惑ですよと言います。なおグループでのツーリングの場合は仲間内で飲んで騒ぐ事が多いためか、ライダーハウスへの宿泊を断られる場合もあります。例え数人であっても、自分たちだけの空間と勘違いして騒ぐようなら、やはりライダーハウスには泊まらないで下さい。制約が多いように感じられますが、安く泊まると言うことはそういうことです。協調性が第一なのです。
▼ ちょっとした用意で防げる体調管理
その他、ザコ寝する以上どうにもならないこともあります。他人のイビキです。意外と盲点なのですが、これで眠れずに翌日の体力を消耗してしまう場合も多いのです。必ず耳栓やアイマスクを携行しましょう。それとケータイ電話は充電禁止の所が多いので、予め対策を立てて行きましょう。
▼ ライダーハウスには 「 主 ( ヌシ ) 」 がいる?
ライダーハウスは主が居るから泊まりたくない、という話を時々聞きます。私もそう言われる人を沢山見ましたし、長期滞在した富良野では私自身がヌシだったかも知れません(笑)。いわゆるヌシとは、ライダーハウスが無料だったり数百円で泊まれる事から、かなりの長期に渡ってそこに泊まり続けている滞在者を指す場合が多いのですが、最近は悪い意味でヌシと呼ぶ蔑称のようになりつつあるようです。
それは、ヌシは我が物顔で居座り、あれやこれやと指図したり文句をつけてきたりする、という事から噂が広がっていると思われます。確かに、中にはライダーハウスを夏の住みかにしているライダーとは関係の無いホームレスのような人がいる場合があり、迷惑を振りまいている事もあるようです。無料で管理人がいなく、それでいて設備が整っているという条件がいい所に居る可能性が高いです。
ただ、長期滞在者をいきなりヌシ呼ばわりするのは大間違いです。長く泊まるには理由があることも多く、その土地を気に入った時間的余裕のあるライダーなどは長期滞在することも珍しくありません。ライダーハウスを拠点にして夏の間だけ近くの農家で働くライダーもいるのです。しかも長期滞在者は地元民しか知らないようなスポット、便利な店、銭湯、飲食店や地図に紹介されてない絶景の道も多く知っていたり、またそこから次の目的地までの的確な交通情報も教えてくれたりするなど、私の知る限り素晴らしい情報を持っている人である場合がほとんどです。
▼ 「 主 ( ヌシ ) 」 が悪者にされる理由
ではなぜヌシと忌み嫌われるのか?もちろん前述のホームレス者が迷惑をかける事でヌシと言われる者もおり、そういう輩は論外ですが、たいていの長期滞在者は 「 マナーを重んじている 」 事が多いのです。長くいればいるほどオーナーさんや地域住民と接する機会も多くなり、自然と迷惑をかけないように努める気持ちが出てくるからです。
そこにきて、たまにフラッと現れる、挨拶も出来ず、部屋にゴミを散らかし、夜は自分勝手に酒を飲んで騒ぐという常識のないライダー。当然、オーナーさんや地域の人の迷惑にならないようにキレイに使っている滞在者としては注意の一つもしたくなります。本当は見ず知らずの人に注意するというのは、できればしたくない事です。貴方なら注意する勇気がありますか?
そして注意されたライダーの中には、それが面白くないため行く先々で腹いせに 「 ヌシがいたぞ、文句を言われるから気をつけろ 」 といって悪口を言いふらす訳です。自分に都合の悪いマナーの悪さは一切言わずに。おそらくヌシ伝説の原因の大半はコレなのです。
▼ 実在する非常識ライダーの事例
- 遅くまで飲んで騒ぐ
- ゴミを掃除しない、置いていく
- ライダーハウスの敷地にテントを張ろうとする
- 飲食店をしているオーナーさんに、買ってきた総菜を温めてほしいと言う
- 早朝からエンジンを吹かして爆音を出す
- 泊まっている他人のバイクに勝手に座る
などです。こういう自分の宿泊マナーが悪いことにも気づかない 「 子供ライダー 」 が増えている事は嘆かわしい事です。これは次のページに書いている 「 悲しい話 」 にも関連する事です。
ルールが守られず消えていった悲しい話もあるんです。 >>>
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