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鵡川町【むかわちょう】
シシャモが特産品として知られている。実は日本で食べられている『シシャモ』の9割はカペリンという代用品。本当のシシャモはあんなギラギラ銀色ではなく、肌色にも似たピンク色で、しかも日本で唯一、ここ鵡川近辺でしか獲れない極めて貴重な魚。獲れる時期もわずか1ヶ月しかない高級魚なのだ。味も食感もまるで違うぞ!

下船からスグに進路を東にとり、一路襟裳岬へと向かう。しかし走り出して間もなく寒さで薄手のジャケットでは耐えられなくなる。このところ北海道は低温が続いてるらしく、夏だというのに気温は15℃前後。これが曇り空で風が強いと、バイクでの体感気温は10℃ぐらいになる。

あらかじめ用意しておいた秋冬物のジャケットと上着を交換する。
海沿いを苫小牧から鵡川町へ入ると、『海賊ラーメン』なる看板が目に入った。そういえばフェリーで朝食は食べてない。寝起きに
近い体を熱いスープで目覚めとさせるのも悪くない。襟裳岬まではまだ距離もあるし、まずは腹ごしらえといきますか。
これが海賊ラーメン!エビ、ホタテ、カニ、そして名物のシシャモ。それぞれがほとんど丸ごと入るという豪気なラーメン。しかも店のおばちゃんが、『特別に大きいエビを入れておいたよ』とサービスも行き届いている。

更に、お礼を言ってスープをすすった瞬間、これは!
濃厚なカニの味のスープではないか!よく見ると入っているカニは毛ガニだ!シシャモは肉厚だし、1200円と少し値が張る感のあるラーメンだけど、この味とボリュームなら安い気がする。
こちらはニンニクラーメン。オーソドックスなメニューと思うなかれ、よく煮込まれて甘いコクがたっぷり出ているニンニクスープ!

これはナカナカ!これもいいね!

他にもたっぷりのいくら丼が500円であるようだし、ラーメンとセットで食べると至福の時を楽しめそうだ。鵡川を通る機会がある人はぜひ一度お試しあれ!
襟裳岬に到着したのは15:00前頃。フェリーを下りてからの走行正味3時間くらいか。しかしとにかく寒い!冬物ジャケットにカッパを重ねてやっと走れるほどだ。しかも襟裳岬の周囲は突風が吹き付け、以前訪れた時の陽気とは正反対。確かに今は夏なのだが、まるで故郷山形で感じる11月のようだ。
売店の奥の食堂で一休みする。建物を揺さぶるほどの強風が再出発の決心を鈍らせる。今日はまだ100km走らなければならないのだ。これから陽が沈む時間になってくる。これ以上気温が低くならないうちに帯広へ入りたい。

二人でコーヒーや紅茶を飲み干すと、その温かさが体内にあるうちに走り出すことにした。この先の海岸線はいわゆる黄金道路。断崖と強風が容赦なく吹きつける難所でもある。

せめて気温だけでもこれ以上寒くならないよう願いながら、逃げるように襟裳岬を後にした。


やっとの事で沿岸の強風地帯を抜け、帯広の近くまでやって来る。写真の場所は忠類村。ナウマン温泉がある所だ。あと何kmかなぁ。

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