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北海道ツーリング
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ひらふを出発した後、進路を国道5号線にとり、一路余市を目指した。雨は叩きつけるように降り続いている。朝ということもあり気温も低く、10度ちょっとという感じか。目指す富良野まで約260kmほど。そうたいした距離ではないが、この天候と寒さでどこまで疲労が貯まるか注意しなければならない。小樽に入った頃はどしゃ降りになっていて、行き交うトラックにたびたび猛烈な水を浴びせられる。これ以上一般道を走っていたらキツイ。ちょうど小樽からは旭川方面へと伸びる高速道路がある。予算節約とは言ってられない。まっすぐ高速道路へ向かった。

高速を行けば、この天候なら時間的にも距離的にも相当短縮できるはずだ。確かにそれは間違ってはいなかった。事実、この時すでに道内では各地で地滑りや土砂崩れが発生しており、69カ所もの国道が寸断される事態になっていたからだ。高速に入ると、雨が道路に貯まっており、一般の車はさほど速度を出せずにいた。しかしバイクは水の少ない中央部分を走ることができる。荷物を満載しながら次々と遅い車を抜き去り、札幌から向きを変えて旭川方面へと突き進んだ。

確かに時間は短縮できるようだ。が、速度のせいで体温が猛烈に奪われていった。寒い。湿った冷たい空気が衣服の隙間からびゅんびゅん入り込む。体はガチガチに固まり、手足もガクガクと震えた。それでもアクセルを緩めることもなく、やっとの思いで高速を出る。



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